SNS利用「ソー活」学生急増 企業も専用ページで採用情報発信

 フェイスブックなどの交流サイト(ソーシャル・ネットワーキング・サービス、SNS)を、就職活動に活用する「ソー活」が大学生の間で急速に拡大している。企業側も専用ページを立ち上げるなど、インターネットを利用した採用活動を重視し始めており、従来の”就活”が様変わりし始めている。

 総合商社、IT企業、大手銀行…。スマートフォン(高機能携帯電話)の画面には、さまざまな企業の社員の名前がずらりと並ぶ。「フェイスブックのおかげで、20人以上の会社員と会うことができた。今の時代はインターネットなしの就職活動なんて考えられない」。大手企業など9社から「内定」を得た一橋大学社会学部4年の松本陽さん(23)は手元のスマートフォンに目を落としながら、自身の就職活動を振り返った。

 2011年11月から就活を始めた松本さん。「まずは企業研究から」と思い立ち、大学のOB名簿を頼りに興味を持った企業の先輩社員に連絡を取ってみたが、すでに転職していたり、海外勤務になっていたりとデータが古く、うまくいかなかった。そこで目を付けたのがSNSだった。フェイスブックを駆使して、さまざまな職種の社会人約20人と直接連絡を取り、面会にまでこぎつけた。松本さんは「プロフィルを見れば、その人がどこにいて、どこで働いているかがすぐにわかる。フェイスブックなどのSNSの活用は、就活を乗り切るのに重要だと痛感した」と明かす。

 PR会社「電通パブリックリレーションズ」の1月の調査では、2013年卒の大学生の約47%が「就職活動にSNSを利用している」と回答しており、「ソー活」の浸透を裏付けた。この流れを受け、企業側も変わりつつある。東京都内の会社の人事担当者も「今年はまさに、ソー活元年。これからは積極的に会社情報を発信していく」と話す。

 就職情報会社「ちかなり」によると、13年卒を対象としたフェイスブックの採用ページを立ち上げたのは1360社に上る。担当者は「12年卒までは100社前後しかなかったが、その後、加速度的に増加した。今後は3000社を超えるのではないか」と予想する。11年に設立された「ソーシャルリクルーティング」(東京都渋谷区)は、SNSの広がりに着目し、フェイスブックを活用した学生と企業のマッチングなどを行っている。同社代表の春日博文さんは「フェイスブックは会社の独自色が表に出しやすく、学生も日々その情報に触れることができる」と説明。「企業、学生側ともに、うまくSNSと付き合っていけるかが、今後の就職活動を乗り切る鍵になる」と分析している。

 

フジサンケイビジネスアイ


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