海外で注目の最新リクルーティング系サービス5選
ソーシャルリクルーティングとは、FacebookやTwitterを採用活動に活かすことです。特に情報発信などで注目されている方が多いと思いますが、最近はWeb技術などを使って、もっと広く、オープンに採用活動を進める動きも目立ってきました。
今回は、海外で注目されている採用系サービスを5つ紹介したいと思います。
Smarterer (beta):応募者の実力をオンラインでテスト!
Smartererは、一言で言えば、テストツールです。採用担当者はSmartererを利用することでオリジナルのテストを作成することができます。
例えば、即戦力となるようなPHPとMySQLの連携技術に優れた開発者を探しているのであれば、それに特化したテストを作成し公開することで、応募者の技術レベルを事前に具体的に把握することが可能になります。今までは採用してみるまで応募者の具体的な技術レベルを把握することが難しかったのですが、このツールを使うことで実力を見つけ出すことが容易になります。
ただ、懸念点もあります。テストを受ける応募者はやろうと思えば、自分の代わりに、誰かにテストを受けさせることもできてしまいます。いわゆる替え玉受験と同じことができてしまうのです。このサービスは応募者の誠意の上に成り立つと言えるでしょう。
Gild Source:GitHubのコードで実力判断!
http://www.gild.com/products/gild-source/
2012年7月にリリースされたサービスがGild Sourceです。このサービスはGitHubなどで公開されているオープンソースのコードを集め、分析し、クオリティや経験、使われている技術などを基に、開発者プロフィールにGild Scoreというものを算出するサービスです。
元々、GitHub自身が開発者が自分のスキルを公開する側面も持ち合わせており、いわゆるスタープログラマーと呼ばれるような開発者もGitHubには存在しています。
Gild SourceはGild Scoreというもっとシンプルで分かりやすい定量的指標をGild Scoreという形で見せることを可能にしました。すでにGild Sourceは100万人以上の開発者プロフィールに対し、Gild Scoreを付与しており、採用担当者はGild Sourceを利用することで、簡単に目的の人材にたどり着くことができるようになっています。
Identified:Facebookのプロフィールからスコア算出!
Facebookと連携し、登録されているFacebookのプロフィールから応募者スコアというものを算出するというサービスです。この応募者スコアは、受けた教育、職業、人とのコネクションを基に算出されます。
使い方はとてもシンプルで、Identifiedのサイトにアクセスし、Facebookアカウントを入力するだけでスコアが算出されます。ただ、まだリリース初期段階なので、算出された応募者スコアの信頼性は低いように感じます。事実、応募者スコアの高い人と友達であったり、応募者スコアの低い友達を削除したりすると、自分の応募者スコアが高くなるというちょっとイマイチな仕様になっています。
ちょっと気の利いた診断メーカーレベルなので、採用担当者が実際にこれをメインで使えるか、といえば、現状は無理と言わざるをえません。
Path.To:労働環境がよければ楽しく働ける!
今までのソーシャルリクルーティングサービスとはちょっと毛色が異なるのが、Path.Toです。Path.Toは労働環境のマッチングに主眼を置いて開発されています。これはこのサービスのスローガンにも表れており、「Fall in love with your next job (次の仕事と恋をする)」とうたっていることからも分かります。
今までのソーシャルリクルーティングサービスは程度の差こそあれ、スキルのマッチングに主眼を置いて開発されてきました。これは即戦力を求める採用担当者にとって、必須であることは間違いありません。しかし、スキルマッチングだけでは、採用される側には労働環境が分かりません。
Path.Toはこの労働環境も含めたマッチングを行なってくれます。職歴やスキルの入力に加え、勤怠時の服装なども入力することができるようになっています。
長期間にわたって働きたい、働いてもらいたい、という雇用側、応募者側の期待に主眼を置いたPath.Toは、これまでのソーシャルリクルーティングサービスに足りなかったものを補ったサービスと言えるでしょう。
Silp:登録して待っていればオファーがくる
Silpはスイス発のソーシャルリクルーティングサービスです。求職者がSlipに登録されると、Facebookに登録されている職歴、学歴を引き出し、さらにTwitterやAbout.me 、GitHubのデータも組みわせて、タレントプールとしてSlip内に登録されます。求職者はさらに自分のスキルをタグ付けすることも可能です。
人材を探している企業は、Silp上に求人情報を公開します。この情報は担当者やその企業の社員のFacebook上のネットワークを使って、マッチする人材を探していきます。
Silpの利用者はオファーを待つという受身のサービスです。なので、今すぐ就職したい!というような求職者よりも、チャンスがあれば転職したい、くらいの気持ちの求職者に向いています。
まとめ:新しい技術が可能にする採用の効率化と最適化
以上、最近注目されている5つのサービスをまとめて紹介しました。こうしたサービスの多くが「エンジニア」採用の支援の色が濃いことです。最新の技術を活用したサービスを技術者が使うことで、その他の業界にも展開していきそうです。
国内でも、Forkwell(http://forkwell.com)のようなサービスが生まれ、これまでは実現できなかった人づての採用もエンジニアを中心に盛り上がってきています。
企業にとってはより効率的に求める人材を得られ、求職者にとっては自分の持ち味をアピールする方法が多様化しています。それだけでなく、働く環境を重視する求職者にとって、企業の実際の姿が見えやすくなったということでも、よりよいマッチングを実現しやすくなっています。