就活解禁…セミナー前倒し・親説明会など支援策
2014年春に卒業する大学生の就職活動が1日、本格的に始まった。
企業説明会の解禁日が従来の10月から12月になって2年目。景気低迷で依然として厳しい採用情勢が続く中、各地の説明会にはいち早くスタートを切ろうと意気込んだ学生たちが早朝から詰めかけた。一方、就活期間の短縮化に対応しきれなかった昨年の反省から、各大学では就活セミナーの開催時期を前倒ししたり、保護者向けセミナーを開いたりと、支援態勢を強化している。
「焦っている」
東京都渋谷区の合同企業説明会には午前8時半の開場前から大学生約200人の長い列ができた。
東京女学館大3年の女子学生(20)は「夏休み前から学校主催の就職セミナーがあり、OGの話を聞くなどできる範囲で準備はしてきた。その分、語学や資格の勉強に専念できてよかった」と話す。一方では、「まだ希望が絞り切れていない。焦っている」と話す男子学生(21)もいた。
1年目の昨年は、就活期間の短縮化にうまく対応できず、途中で就活を諦めてしまう学生も多かったという。都内の私立女子大4年生(21)は昨年、研究不足のまま12月を迎え、「やりたいと思える仕事が見つけられなかった」という。来春の就職は諦めて大学院に進む予定だ。
就職情報会社「マイナビ」が7月、13年卒業予定の学生に調査したところ、約25%は「やりたい仕事がまだ見つかっていない」と回答。約75%は「(解禁前に)業界や仕事について考える機会が必要」と答えた。三上隆次編集長は「昨年は多くの学生が『12月まで就活を始められない』と誤解していた。早めに業界研究した学生が圧倒的に有利だった」と分析する。
中小探し指南
「ある大手企業の食品の製造過程を調べてみましょう。すると、取引先の中には容器や香料の分野で日本一、という中小企業などが見つかります」
明治大で11月12日に開かれたセミナーで、女性講師が優良中小企業の探し方を指南。学生は約600人が参加した。
同大では例年、中小企業関係のセミナーは大手企業の採用が一巡する4年生の5月に開いていたのを前倒しした。
昭和女子大では、中小企業への就職に対する理解を深めてもらおうと、保護者も参加できる説明会を来年2月に開く。中小企業への就職に不安を抱く保護者が多いためだといい、同大の武藤空男・キャリア支援センター長は「中小でも優良な企業は多いことを親が理解し、就活をサポートしてほしい」と指摘する。
また、初めての保護者向け説明会を11月に開いた横浜市立大の担当者は「親は学生にとって最も身近な社会人。自分の仕事のやりがいなどについて、日頃から会話してほしい」と話している。