ワークス採用見通し調査（新卒：2014年卒 中途：2013年度）
株式会社リクルートホールディングスの人と組織に関する研究機関・リクルートワークス研究所では、民間企業における2013年度の採用の見通しに関する調査を行い、5,063社（回収率69.0%）より回答が得られました。
◆2014年卒者の新卒採用見通し（大学生・大学院生）
【全体】
2014年卒対象の大学生・大学院生の新卒採用見通しは、「増える」（10.3％）が「減る」（6.9％）をわずかに上回っており（+3.4%ポイント）、2013年卒に引き続き、大学生・大学院生の新卒採用は多少回復する見込みである。また、「わからない」が2013年卒の25.1%より微増の25.8%となっており、新卒採用市場は今後の景気動向に左右される可能性がある。
【従業員規模別】
従業員規模別に見ると、従業員1000人未満企業、従業員1000人以上企業ともに、「増える」が「減る」を上回っている。従業員1000人未満企業、従業員1000人以上企業ともに、2013年卒者の採用と「変わらない」が半数近くとなっており、「わからない」が3割弱となっている。従業員規模別を細かく見てみると、どの従業員規模でも「増える」が「減る」を上回っている。「増える－減る」のポイントが比較的に大きい従業員規模は、従業員2000～4999人企業（+8.2%ポイント）や、従業員5000人以上企業（+7.9%ポイント）などの大企業である。従業員規模が大きくなるにつれ、「増える－減る」のポイントが大きくなっている。
【業種別】
業種別を大分類で見ると、製造業で「減る」が「増える」を上回っているが、その他の業種では「増える」の方が「減る」を上回っている。業種別を細かく見ると、飲食サービス業（29.4%）では3割近い企業が「増える」と回答している。また、「増える」が「減る」を上回っているのは、飲食サービス業（+27.9%ポイント）や情報通信業（+10.0%ポイント）など一部のサービス・情報業や小売業（+10.7%ポイント）、精密機械器具（+9.1%ポイント）などの一部の製造業である。一方、「減る」の方が「増える」を上回っている業種は、鉄鋼・非鉄金属・金属（-8.4%ポイント）、自動車・鉄道（-5.8%ポイント）、機械・プラント・エンジニアリング（-4.9%ポイント）など一部の製造業である。
◆ 2013年度の中途採用見通し（正規社員）
【全体】
従業員規模別に見ると、従業員1000人未満企業、従業員1000人以上企業で「増える」が「減る」を上回っている。従業員規模を細かく見てみると、どの従業員規模においても「増える」が「減る」を上回っている。特に、従業員1000～1999人企業（+4.5%ポイント）や従業員2000～4999人企業（+3.5%ポイント）といった大企業では、他の従業員規模と比べて、「増える」が「減る」を大きく上回っている。一方、見通しが「わからない」企業は、従業員規模が大きくなるにつれ、その回答割合は高くなっている。
【業種別】
業種別を大分類で見ると、製造業以外の業種で「増える」が「減る」を上回っている。また、どの業種でも半数程度の企業が「わからない」と回答している。小分類別に見てみると、「増える」が「減る」を上回っているのは、飲食サービス業（+20.6%ポイント）、医療・福祉（+9.2%ポイント）、運輸業（+7.5%ポイント）など一部のサービス・情報業と、コンピュータ・通信機器・OA通信機器（+10.0%ポイント）などである。一方、「減る」の方が「増える」を上回っているのは、機械・プラント・エンジニアリング（-7.7%ポイント）などである。
◆業種別 新卒採用見通しと中途採用見通しの関係
業種（詳細分類）ごとに、大学生・大学院生の新卒採用見通しと、正規社員の中途採用見通しの関係を見ると、2012年度に比べ、2013年度は全体的に、新卒・中途採用の両方を「減らす」と回答した業種が多くなっている。その中で、飲食サービス業やスーパー・DIY・生活協同組合などの一部小売業といった業種では、新卒・中途採用ともに「増える」が「減る」を大きく上回っている。これらの業種は2012年度の見通しにおいても、「増える」が「減る」を大きく上回っている。一方、自動車・鉄道や機械・プラント・エンジニアリングといった一部の製造業では、新卒・中途採用ともに「減る」の方が「増える」を上回っている。
