◆今年の採用領域のソーシャルメディア活用動向は？

2013年採用では、新卒採用を行う企業のうち約1000社が採用広報用Facebookページを開設したと言われています。2014年採用では、昨年末時点で2.5倍の2500社以上がFacebookページを開設していると言われています。2014年採用におけるSNSの動向や人材領域での新しいSNSの動きについてご紹介していきます。

◆2014年採用における企業のSNSの活用状況は？

2013年採用においてもソーシャルリクルーティング白書2012（株式会社garbs調査）によるとソーシャルメディアを採用活動に活用している企業の比率は47.6％と、約半数にのぼっているとされています。また、ソーシャルメディアの種類でいうとFacebookは、すべての従業員規模において利用率が高いのに対し、Twitterは利用率が低下傾向にあるという結果となりました。Twitterは、匿名性や発信される情報の種類から企業の公式広報アカウントとして活用しにくいと考える企業が多いのが理由として挙げられます。2014年採用でも2500社以上の企業が既にページを開設していますが、企業が選ぶ採用広報様に活用しやすいSNSといえば現状は、facebookを選ぶのが妥当といえそうです。

学生側の視点でいうと、友達にどんな企業のページをチェックしているのか知られたくない、企業の人事担当者に自分のアカウントを確認されるのが不安といった声もあるようです。しかし、情報を入手するツールとして就職活動時期の学生がfacebookを活用する傾向は定着しつつあるといえそうです。というのも、年末時点での2014採用のfacebookページでも1万以上のいいね！を集めている企業も出てきています。

多くのいいね！を集めている企業の情報発信の内容は、企業の事業の紹介というよりは、内定者からの就活アドバイスやインターンシップでの細かな業務内容などより実態を丁寧に紹介するものとなっています。実態に近い姿を知ってもらう場として今後も活用する企業は増えていくことが予想されますが、そこでしか見られない社員の働く姿やサービス・商品の紹介など小さくても何かしらの発見につながる情報を届けることで、学生の関心を集めることが可能になると言えるでしょう。

また、facebook以外では説明会をUSTREAMなどで動画配信したり、YouTubeなどで動画コンテンツをアップし認知を狙うというのは昨年も取り組んでいる企業がありました。20代では約半数がスマートフォンを利用しているとも言われていますが、学生側の動画を視聴する環境も整いつつあるので、動画でのアピールも有効になってくるでしょう。

◆2014年にブレイク？新しい人材領域のSNSは？

2012年にも様々なSNSが登場していますが、Facebookのようなリアルの友人・知人とつながるものに加えて、今年も趣味や興味関心でつながることができるカテゴリー別SNSが話題となると思われます。

人材領域といえば、世界で2億人規模と言われるプロフェッショナルのネットワーキングができる「LinkedIn」があります。日本でのユーザー数は数10万人とのことですが、昨年夏には日本語対応が完了しており、今年も認知が広がるとみられています。日本でも外資系企業などがLinkedIn上でプロフィールを検索し、ターゲット人材にメッセージを送るということも増えてきているようです。

その他では、サイバーエージェントがリリースした、「intely」では「その道の権威」が参加しており、ニュースアカウントや専門グループをフォローすることでより深い情報を、より早く入手することが可能となっています。テレビCMも積極的に展開されているようですので、今後知名度の拡大が期待されます。

また、別の視点でいくと「名刺」を軸にしたSNSも今後ユーザー数を拡大するとみられています。ビジネスパーソンであれば、名刺管理方法をどうするか、一度名刺交換はしたもののそのままになっている、という経験があるかと思います。三三株式会社が提供する「Eight」は名刺を軸にして過去名刺交換した人と改めてEight上で名刺交換 = “リンク”することで、名刺を通じたオンラインのビジネスネットワークを形成することができるのです。こうしたSNSからの何が生まれるのか未知数ではありますが、人と人とのつながり方、人と企業のつながり方は今年も新しいアプローチがでてくると思いますので、今後も継続的にご紹介していきます。