育児する労働者のために、短時間勤務制度を定めていますか?
Q:もうすぐ育児休業から復帰する予定の女性社員が、育児のため短時間勤務をしたいと申し出てきました。会社は、育児短時間勤務を必ず認めなければならないのでしょうか。
育児短時間勤務は、育児介護休業法により、会社が必ず設けなければならない制度です。一定の要件を満たす労働者が希望した場合、認めなければなりません。以前は、子の養育を容易にする措置として、始業終業時刻の変更など一定の措置の中から会社が選び実施する選択肢の1つでしたが、法改正により、平成22年6月30日(中小企業は平成24年7月1日)から必ず設けなければならない制度となっています。
◆1日6時間の勤務を含むこと
会社には、3歳に満たない子を養育する労働者が希望すれば利用できる短時間勤務制度を設ける義務があります。この短時間勤務制度においては、1日の所定労働時間を原則として6時間(5時間45分~6時間)とする措置を選択できるようにしておかなければなりません。1日6時間の制度を設けた上で、他に1日7時間の制度や隔日勤務などにより所定労側日数を短縮する制度を設けることはできます。なお、短縮された時間に応じて賃金を減額することは問題ありません。
◆対象から除外できることもある
短時間勤務の対象外とできる者は、次の通りです
1:日々雇い入れられる者
2:勤務時間が1日6時間以下の労働者
※1ヵ月単位および1年単位の変形労働時間制を適用される労働者については、すべての労働日について6時間以下である者をいい、平均して6時間以下の者ではありません。
なお、労使協定により次の労働者を対象外にすることができます。
1:引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
2:1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
3:業務の性質または業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者
◆3歳以降は努力義務
子が3歳以降、小学校就学前までは、短時間勤務の他、始業・就業時刻の変更、フレックスタイム制など一定の措置のうちから会社が選択する制度を設けるよう努めなければなりません。
◆労働時間に応じて給与を支払う
短時間勤務をしている労働者について、短縮した時間数の割合を超えて給与を減額することは不利益な取り扱いとして、禁止されています。賞与や退職金についても実際に働かなかった時間分を超えて減額することは認められません。