「会社を辞めようかな」と考える時期‐入社3年後の違い
入社3年以内に転職した人は、いつごろから転職のことを考えていたのだろうか。リクルートマネジメントソリューションズの調査によると「入社半年未満」は46.0%、「入社1年未満」では73.3%であることが分かった。「一般的に入社半年までは導入期間と言われている。社会人としての心構えを身につける導入教育や本人に適応感のある配属など、半年または1年目に起こりうるイベントに対し、会社としては知恵を絞る必要があるだろう」(リクルートマネジメントソリューションズ)
一方、転職をしていない人で「入社3年以内に転職を考えたことがある」と答えたのは48.0%。また、いつごろから転職を考え始めたのかを聞いたところ「入社1年~2年未満」が25.0%、「入社2年~3年未満」が47.2%。入社3年以内に転職した人の73.3%は、入社1年目に転職を考え始めたの対し、転職をしたことがない人の72.2%は、入社1年~3年で考え始めるという差が見られた。
入社3年以内に転職した人に、何があれば転職をとどまりましたかを聞いたところ「仕事・業務内容が変われば(同じ部署・職場で)」(44人)を挙げた人が最も多かった。次いで「何があっても転職の決意はゆるがなかった」(42人)、「上司が変われば」(32人)、「部署・職場が変われば」(30人)という結果に。
転職をしていない人に、転職をとどまった理由を聞いたところ「もっと就職したい会社や業界がなかったから」(26人)がトップ。以下「会社の執務環境(立地など)や制度(賃金、休日など)がよかった」(23人)、「そもそも会社や仕事にこだわりがなかったから」(14人)と続いた。
入社後、配属された職種・部署が希望するところだった人はどのくらいいるのだろうか。転職をしたことがない人は希望に関わらず、61.3%が「自分に合っている」と感じたのに対し、入社3年以内に転職した人は40.0%にとどまった。
「会社としては配属先に対して全ての新人の希望をかなえてあげるというのは現実的には難しい。だからこそ、本人の適性をよく見たうえで『自分に合っている』と感じることができる配属先へ配属できるよう、慎重にマッチングすることが重要だ」(リクルートマネジメントソリューションズ)
「配属先は自分に合っている」と答えた人がそう感じるのは、どの要素が一番大きく影響しているのだろうか。転職経験の有無に関わらず、「配属先は自分に合っている」と感じた人では「上司」(14.3%)と答えた人が少なかったのに対し、「配属先は自分に合っていない」人では40.5%に跳ね上がった。「入社1年目の新人にとって、最初の上司は社会人人生の親のような存在。期待が大きい分、小さな失敗や誤解でも大きくマイナスに働くのかもしれない」(同)
インターネットによる調査で、社会人暦4年以上のビジネスパーソン300人が回答した。調査時期は2月。