非IT分野の上場企業、9割が「IT人材」に不足感

非IT分野の上場企業(ユーザー企業)は6―7割がITを生かした新事業、新サービスの必要性を認識しており、9割がIT人材の確保に不足を感じている。こんな調査結果を情報処理推進機構(IPA)がまとめた。

これは2012年度に実施し「IT人材白書」としてまとめたレポートで明らかになった。調査対象はユーザー企業343社、IT企業564社など。まずIT人材の需要が高まっている背景としてユーザー企業のクラウドサービス導入拡大が挙げられる。業務アプリケーションなどをクラウドから使うSaaSの利用率は前年の33.7%から44.3%に、システム基盤をクラウドから利用するPaaSは5.4%から11.4%に、IT設備をクラウド上で仮想化するIaaSは9.3%から14.6%に増えた。

こうした中、ITを生かした新事業・サービスの必要性について「認識している」という回答は従業員300人以下の企業で70.5%、301人―1000人の企業で72.5%、1001人以上の企業では75.4%。特に従業員1001人以上の企業では「きわめて強く認識している」が4社に1社(23.9%)という水準だ。

新事業・サービスのためのIT人材確保について「不足している」という回答は300人以下の企業で90.7%、301人―1000人で88.4%、1001人以上で91%といずれも高水準(グラフ参照)。特に海外展開のためのグローバルIT人材については全体の69.4%が不足を感じている。グローバルIT人材に求める能力は「語学力」(66.9%)がトップで、次いで「マネジメント能力」(49.1%)。「技術力」(23.9%)を求める声は比較的少ない。

それでは実際にユーザー企業はどこからIT人材を確保しているのか。中途採用されIT部門に配属された人材の直前の勤務先は「ITベンダー」が最も多く40.5%、次いで「他のユーザー企業のIT部門」が15.7%。IT企業からユーザー企業への人材の流れがうかがえる。

一方でIT企業でも56.7%が「採用における質の高いIT人材の確保」を優先課題としており、「新事業・サービスに必要なIT人材の育成・確保」も3分の1強(35.6%)が重視しており、ユーザー企業と重なる部分が多い。

ユーザー企業、IT企業とも不足を感じている人材の資質は「プロジェクトマネジメント力」が最も高く、それぞれユーザー企業の45.7%、IT企業の56%が求めている。これに加え「発想力・企画力」(ユーザー企業の41.6%、IT企業の29.2%)など上位5項目までは順位は異なるものの回答内容が一致しており、IT企業における経験やスキルがユーザー企業でも生かせることが分かる。

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