認定基準見直しの影響か 精神障害の労災認定件数が過去最多
6月21日、厚生労働省は「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」を取りまとめ公表しました。
まとめによると、平成24年度の精神障害(メンタルヘルス疾患)における労災認定(支給決定)件数は前年より150件多い475件で過去最多となりました。そのうち、未遂も含めて自殺件数は前年より27件多い93件にのぼっています。
介護事業等で最多
支給決定件数を業種別に見ると、最も多いのは「社会保険・社会福祉・介護事業」(33件)、次いで「道路貨物運送業」(32件)、「情報サービス業」(25件)が並んでいます。また、職種別では、「一般事務従事者」(65件)「情報処理・通信技術者」(30件)「商品販売従事者」(29件)、「自動車運転従事者」(28件)の順となっています。
パワハラ・長時間労働も大きな要因
引き金となった原因では「仕事内容・量の変化」が59件と最も多く、そのうち自殺は19件。このほか、「嫌がらせ、いじめ、暴行」(55件。うち自殺10件)、「月80時間以上の時間外労働」(32件。うち自殺8件)など、近年社会問題となっているパワハラや長時間労働が上位に並びました。
厚生労働省では、平成23年12月に仕事のストレスが原因で精神障害になった場合の労災認定基準が見直されました。新しい基準では、残業時間の目安や発症のきっかけとなる出来事の例を具体的に示しています。これによって、審査期間が短縮されるとともに、認定件数の大幅な増加につながったようです。