2016の新卒採用動向は?
経団連の指針により3月1日以降に「広報活動開始」、「選考活動開始」は8月1日以降とされている2016年春の新卒採用。6月に入って各社の対応も進んできているようです。朝日新聞が主要各社に行った新卒採用計画に関する調査では、前年より「増やす」と回答した企業が4割を超える結果となりました。前年と比較して「横ばい」は35社、「未定」は12社で「増やす」と回答した企業は前年よりも8社多くなっています。前年よりも「増やす」と回答した企業が4割を超えるのは、リーマン・ショック前の2008年以来で、学生側の売り手市場との認識を示した企業は、6割以上となっています。
株式会社リクルートキャリアの研究機関・就職みらい研究所が発表した2015年5月度 就職内定状況(2016年卒)」では、5月1日時点での就職志望者のうち、就職活動実施率は93.9%と、前年同月の72.3%と比べて、21.6ポイント高く、就職内定率は20.7%とされています。内定率は、前年同月の47.7%と比べて27.0ポイント低い結果となっていますが、指針に関わらず内定出しを進めている企業も少なからずあるようです。
他の調査でも、企業が内定出しを始める時期は4~8月という回答が8割を占め、月別で見ると6月が19.7%と最も多く、次に8月が19.5%となっています。早めに対応を進めている企業では、前年と比較して内定辞退者数が増えるという見込みで、例年よりも多くの内定を出して最終的な入社者を確保していく方針をとる企業も多くなっています。
企業側も学生側も、取組み方を「模索しながら」という傾向が強い2016年新卒採用。従来よりも短期間で、内定出しや受諾のやりとりをしていく流れでは、学生の「就職」に対する意識の高まりも醸成しながら、自社での将来的な可能性をしっかり認識してもらうアプローチをより丁寧に行っていくことが必要になりそうです。