他社の労働条件はどれくらい?就労条件総合調査の結果概要
厚生労働省は昨年10月、平成27年「就労条件総合調査」の結果を公表しました。この調査は民間企業の就労条件の現状を明らかにすることを目的に毎年実施されていて、今回は「労働時間制度」「定年制等」「賃金制度」を調査しています。労働条件の動向をご紹介します。
■労働時間制度
(1) 所定労働時間
・1日の所定労働時間:1企業平均7時間 45 分、労働者1人平均 7 時間 45 分
・週所定労働時間:1企業平均 39 時間 26 分、労働者1人平均 39 時間 03 分
・週所定労働時間の1企業平均(企業規模別)
-1,000 人以上が 38 時間 58 分
-300~999人が 39 時間 02 分
-100~299 人が 39 時間 20 分
-30~99 人が 39 時間 30 分となっている。
産業別にみると、金融業,保険業が 38 時間 00 分で最も短く、宿泊業,飲食サービス業が 40 時間 17分で最も長くなっている
(2) 週休制
主な週休制の形態をみると、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は 85.2%となっ ている。 「完全週休2日制」を採用している企業割合は、50.7%となっている。これを企業規模別に みると、1,000 人以上が 69.3%、300~999 人が 59.5%、100~299 人が 54.1%、30~99 人が 48.3% となっている。産業別にみると、金融業,保険業が 91.2%で最も高く、鉱業,採石業,砂利採取業 が 22.6%で最も低くなっている。
(3) 年間休日総数
平成 26 年(又は平成 25 会計年度)の年間休日総数の1企業平均は 107.5 日、労働者 1 人平 均は 113.2 日となっている。1企業平均年間休日総数を企業規模別にみると、1,000 人以上が 114.4 日、300~999 人が 112.0 日、100~299 人が 110.0 日、30~99 人が 106.2 日となっている。 産業別にみると、情報通信業が 120.5 日で最も多く、宿泊業,飲食サービス業が 95.3 日で最も 少なくなっている。
■定年制
(1)定年制
定年制を定めている企業割合は 92.6%となっており、これを定年制の定め方別にみると、「一 律に定めている」が 98.1%、「職種別に定めている」が 1.7%となっている。
(2) 一律定年制における定年年齢の状況
一律定年制を定めている企業について、「65 歳以上」を定年年齢とする企業割合は、16.9%と なっている。 企業規模別にみると、1,000 人以上が 6.0%、300~999 人が 7.5%、100~299 人が 10.6%、30 ~99 人が 20.2%となっている。産業別にみると、医療,福祉が 29.4%で最も高く、複合サービ ス事業が 0.9%で最も低くなっている。
■賃金制度
(1) 時間外労働の割増賃金率
時間外労働の割増賃金率を「一律に定めている」企業割合は 80.3%となっており、そのうち、 時間外労働の割増賃金率を「25%」とする企業割合は 93.8%、「26%以上」とする企業割合は 6.1%となっている。 時間外労働の割増賃金率を「26%以上」とする企業割合を企業規模別にみると、1,000 人以上 が 23.3%、300~999 人が 13.2%、100~299 人が 8.0%、30~99 人が 4.3%となっている。
(2)諸手当
平成 26 年 11 月分の常用労働者 1 人平均所定内賃金は 311,635 円となっており、そのうち諸 手当は 42,238 円、所定内賃金に占める諸手当の割合は 13.6%となっている。 また、所定内賃金に占める諸手当の割合を企業規模別にみると、規模が小さいほど高く、ま た、産業別にみると、電気・ガス・熱供給・水道業が 20.8%で最も高い。
平成 27 年就労条件総合調査の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/15/dl/gaikyou.pdf