新卒一括採用 「合理的」にNOが63%
「新卒一括採用」について、20日までに310人(男性254人、女性56人)から回答がありました。
「新卒一括採用は人材獲得の手段として合理的か」では「NO」が63%に上りました。「学生にとって良い制度か」も「NO」が63%。「就職活動の開始時期は現状で良いか」は「NO」が74%に達しました。
(1)新卒一括採用は人材獲得の手段として合理的か
37%←YES NO→63%
(2)学生にとって良い制度か
37%←YES NO→63%
(3)就職活動の開始時期は現状で良いか
26%←YES NO→74%
■経済的効率性もある
愛知・男性会社員(52)「一括採用は大変合理的とは思う。時期も一緒であれば、スタートラインが同じなので平等のように思える」
千葉・女性会社員(31)「卒業と同時に次の身分が確定した方が、安定的で有用ではあるだろう。ただ、そこであぶれるとなかなか追いつくのが難しいのでそれも考慮すべきだ」
長野・男性会社員(29)「一般的な日本企業のシステムにとっては、新卒一括採用はそれなりに合理的なやり方だと思う」
東京・男性教師(62)「新卒一括採用は日本の経営・雇用形態の根幹の一つで、習慣となって半世紀以上の蓄積がある。ただ既卒者、留学経験者などに採用枠を取っておく配慮がほしい」
兵庫・男性会社員(34)「日本の社会風土や歴史的経緯、企業文化の各面でみて、会社にとって合理的であり経済的効率性もあるのが新卒一括採用だと思う」
和歌山・男性教師(59)「新卒一括採用は、いまなお残る日本企業の強みの源泉である長期雇用、年功制と密接に絡んでおり、日本企業の競争力復活のためにも維持すべきだ」
■人材流動性を低くする
神奈川・女性会社員(43)「年だけ若くても即戦力になるとはかぎらないし、もっと企業も新卒にとらわれることなく、幅広い人材確保ができるようなあり方を考えていくべきだ」
東京・男子大学生(22)「今年就職活動をした。忙しくなるのは2~4月で1日2、3社企業を巡った。でも、理系学生にとって2、3月は4年生から実験を引き継ぐ重要な期間。今年は短縮化で時間が例年よりとれなかった」
埼玉・男性公務員(45)「一律ルールというのは、これからの社会では通用しなくなるやり方ではないか。有用な人材を確保するためにも、あまり効果はなくなっていると思う」
神奈川・男性自営業(55)「大学は就職予備校ではない。何も大学3年の冬から就職活動する必要はないし、新卒優遇的な採用もおかしい」
兵庫・男性会社員(18)「既卒者は、企業に『枠を作れ』とお願いをするのではなく、まずは自分の能力を高めたらどうか」
米国在住・男性団体職員(51)「日本の採用制度は、時期や選定方法が過度に画一的である。人材の流動性を低くする原因にもなっている」
新卒一括採用
卒業を控えた学生を一括して採用する方式で、「定期採用」とも呼ばれます。第一次世界大戦(1914~18年)による好景気で求人が急増した頃に始まったと言われ、現在まで大企業の求人の主流となってきました。従来は10月に応募受け付けなど採用活動がスタートしていましたが、日本経済団体連合会(経団連)が学業への影響を考慮し、平成25年卒の大学生から12月からとなりました。