インターンシップ調査、採用非直結型でも7割の学生が「就職に有利」
就職・人材情報会社のディスコは、2014年3月卒業予定の大学生を対象としたインターンシップに関する調査結果を発表した。1~2日間程度の見学・体験タイプに参加する学生が多く、インターンシップに参加した86%学生が「満足している」という結果となった。
同調査は、2014年3月卒業予定の日経就職ナビ2014就職活動モニター(現大学4年生、理系は修士2年生を含む)のうち、1社以上のインターンシップ参加経験者を対象にインターネットで実施。2月7日から18日の12日間で、516名の回答を得た。
参加したインターンシップの形式は「自由応募型」が81.9%と圧倒的に多く、授業の一環としての「単位認定型」、大学が取りまとめて応募する「大学公認型」は、それぞれ9.1%、9.0%と1割未満だった。参加期間は、「1~2日間」が41.4%と最多で、「3~4日間」の6.3%をあわせると47.7%。経団連の倫理憲章の条件を満たさないショートプログラムへの参加が実際は多いことがわかる。
参加の時期は、大学の夏休みにあたる時期が多く、「8月」(37.4%)、「9月」(29.1%)をあわせると66.5%となった。インターンシップに関する情報(募集企業)を探し始めた時期となると、「6月」が断トツに多かった。6月に就職ナビサイトで募集企業を探し始め、応募し、夏休みに参加するというのが一つの流れになっている。
インターンシップに参加した目的について質問したところ、「自身の成長のため」と回答したのは 42.7%と4割強。残りの約6割はその後に控えた就職活動を意識して参加していた。ただ、インターン先が志望企業というケースは7.6%と1割に満たず、多くは「業界研究のため」と幅広く捉えていた。
インターンシップ先を探す際に重視したことは、「実践的な仕事を経験できること」を「重視した」と回答した学生が80.1%ともっとも多かった。ただ、「とても重視した」の割合に注目すると、「就職を希望する業界であること」のほうが10.4ポイント高い。インターンシップの参加目的を「業界研究のため」と回答した学生の多くがこの項目で「とても重視した」と回答しており、業界へのこだわりの強さを見せている。
インターンシップの満足度を聞いたところ、「大変満足」が51.6%と過半数で、「やや満足」34.4%とあわせると86.0%と高い数字を示し、満足度は非常に高い結果となった。一方で、参加企業への就職意向を質問したところ、「就職したい」は43.1%にとどまり、「どちらともいえない」は34.0%、「就職したくない」は22.8%となった。プログラム別にみると、「実践タイプ」は62.0%が「大変満足」と回答。「やや満足」をあわせると 87.1%と 9割に迫る。一方、「講義タイプ」は比較的満足度が低く、「大変満足」は 42.6%と、他のプログラムより低めという結果だった。
インターンシップ参加企業への就職意向を参加したプログラム別に見ると、その企業に「就職したい」という回答がもっとも高かったのは「プロジェクトタイプ」(47.7%)だった。満足度がもっとも高かった「実践タイプ」は、就職意向はもっとも低い38.5%という結果に。トライアルとして業務を経験したことで、自分の適性のなさを実感したり、その業務への憧れ(思い込み)が払拭されたりして、別の分野を希望するに至ったと推測する。
「インターンシップへの参加が就職に有利になると思うか」という質問では、採用直結型については当然ながら「有利」と答える人が多く、「とても有利になると思う」、「やや有利」をあわせると81.6%と8割を超えた。これに対し、非直結型では「とても有利」は 14.7%にとどまるものの、「やや有利」が 54.3%と回答、あわせると7割近くにもなる。その理由を見ると、「直結型ではなくともインターンシップに参加することで企業研究や理解が進むから」「就職活動仲間ができるため、情報交換やモチベーションの向上になる」といったものが主だが、中には「インターンシップ先の社員とつながりができる」「顔を売るチャンス」といったように、コネの一つと捉える学生のコメントも多数見受けられた。