平成25年 雇用動向調査 介護のために離職する人が急増
厚生労働省が発表した雇用動向調査の結果によると、平成25年に家族の介護・看護のために離職した人(以下「介護離職者」といいます)は約9万3,000人と、前年と比べて約4割増となったことがわかりました。
ずっと増加傾向をたどってきたものが平成25年に急増しています。特に女性に介護の負担が偏っていますが、平成25年は男性でも約2万3,000人が介護を理由に離職しています。介護離職者の年代を見ると、女性の場合最も多いのは40代後半で、50代前半、50代後半が続きました。
◆働き盛りの男性が介護離職
男性の場合は50代後半が最多で、ベテラン社員や幹部社員などこれから会社を背負っていく立場にある人たちが家族の介護のために離職せざるをえない状況に追い込まれていることになります。
◆8年後に「大介護時代」が到来
8年後の平成34年には団塊の世代が75歳に到達し始め「大介護時代」が到来するといわれています。団塊ジュニアはこれまでの世代に比べて兄弟が少なく未婚率も高いため、いっそう仕事と介護の両立は困難になるでしょう。
労働者には約3カ月間の介護休業を取得する権利がありますが、この期間を「自分が介護をする期間」ととらえると休業期間の満了にともない離職することになりがちです。「今後の介護体制を整えるための期間」ととらえ、働き続ける道を模索することが大切です。
企業は社員が介護に直面しても仕事を続けることができる環境を整備していくことが急務となっています。