2013年採用:6月の採用活動のポイントは？
2013年新卒採用もそろそろ中盤期に差しかかってきました。5月末時点でのある2013年度新卒採用
就職・採用活動アンケートでは、学生の内定取得率は39.9％、企業の内定出し開始率は60.4％と前年を上回るペースで推移しているとの結果が出ています。第一広栄社が5月に独自に実施した企業人事担当者へのアンケートでも、既に27％の企業が内々定を出し終えたとしています。また、約半数の企業が面接を進行中、内々定出しを進めている段階と順調に採用活動が進行している企業もある一方で、22％の企業からは採用活動を進めたものの想定通りに内定出しが進んでないとの回答が得られました。
採用活動の評価の視点は様々ですが、まずは「内定数目標」をクリアできるかどうか、がこの時期の人事担当者の方の関心事ではないでしょうか。中盤期の採用活動においては、学生の就職活動への取り組み方の変化への対応もさることながら、一旦この時期で2013年採用の振り返りをして以降の採用活動を進めることが、採用成功への近道となります。今回は6月のタイミングで必要な採用活動レビューの視点をご紹介していきます。
まず、既に目標の内定数に近い内々定を打診されている企業では、より自社の求める人材像に近い学生にターゲットを絞って最終目標数に近づけるように厳選しながら面接を進めることができます。内々定を出している学生を基準に、自社の求める志向やバックグラウンド、適性を備えているかどうかといった「質」の視点で新たに接点を持っていく学生を見極めていけるでしょう。このアプローチの場合は、採用活動の運営体制が許す限り、じっくり時間をかけて本当に採用したい学生が現れるのを待つこともできます。また、ここ数年の傾向として、学生は内定を複数獲得した上で、内定先を比較して「納得して」入社先を選ぼうとうする志向が強まっています。従来であれば、より志望度の高い企業から内定をもらったら、他の企業にその場で辞退を申し出ないといけないという意識もあったようですが、比較検討の時間を欲しいとはっきりと申し出る学生も多くなっているようです。このような傾向を踏まえると、少し多めに内々定を出していくことが目標数字の達成には必要になるでしょう。
一方で、現状内々定を出せていない、目標数と現状の内々定数の開きが多い段階の企業では、今期の採用目標数の見直しをするかどうかの判断をする必要があります。事業の要請から、当初の目標内定数が必達の数字なのか、もしくは「数から質」という基準で採用活動に取り組むのではなく、内定数は上限数とみなし、あくまで「質」に見合った学生を採用していくのかによってアプローチが変わってきます。
「目標内定数」にこだわって採用活動を進める場合は、この中盤期からも継続して母集団獲得を行っていく必要があります。自社HP、採用サイト、説明会告知などこれまで情報を出してきた先に加えて、ハローワークやソーシャルメディアを使った告知などまだ、情報を出していなかった先に告知を積極的に出していくことが必要です。その上で、質の部分は適性検査を活用するなど効率的にMUSTの項目に絞って学生を見極めていくことで最終的には採用目標を達成していくことが可能になります。他方、「質」にこだわって採用活動を継続する場合でも、やはり中盤期には母集団形成のアプローチは必要になります。しかし、この場合は、学生にも自社に興味を持って、好きになってもらうための情報を積極的に開示していくことが有効です。WEBサイトで開示する情報もさることながら、説明会も個別就職相談会のような形式で開催するなどより1to1でやり取りをすることで最終的な志望度を上げていくと学生との信頼関係の構築にも効果があるでしょう。
この時期の学生は、就職活動の中で一度は失敗や挫折を味わい自分なりの方法で何とか自分に合った会社を探したいと考えて活動を継続しています。逆に言うと「企業の見る目」も自分なりに持っている層なので、その先入観や思い込みに刺激を与えてあげるようなコミュニケーションを面接の中で実現できると相互の理解と見極めが進みますし、企業側もあきらめずに採用活動を継続することで従来とは違った層に出会えるでしょう。
そろそろ蒸し暑さで、着なれない就職活動スーツでの活動に疲れやすくなっています。また、どこも節電対応で空調が効いていないこともあり、面接で冷たいお茶を出してくれるのは、学生には好評なようですよ。
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