エンジニアに仕事を依頼できるクラウドワークス案件 4割は時給制

今年3月にローンチしたエンジニアに仕事を発注できるクラウドソーシングのクラウドワークスがこの7月で登録された募集案件の累計総額が3億円を突破したことを発表している。この数字は登録された案件であって成約したものではないのだが、2008年の創業でライバルのランサーズは4年で同じく39億円を達成していることを考えると、サービスをスタートして4カ月であればクラウドワークスのこの数字はまずまずのものなのだろう。会員数も3,000を超えたという。

 

クラウドワークスの特徴はすでにスタート時にも書いたのだが、エンジニアの仕事に対する対価として成果ベースでの支払いが一般的であるの対して、時給制での仕事の支払いを積極的にサポートしているところだ。しかも依頼者と受託者は非対面である。当初はこういった時給制でのクラウドソーシングが成立するのか、働く方も仕事を依頼するほうも含めてその契約形態に納得するのかわからなかったが、成約する業務のおよそ4割は時給制での採用となっているとクラウドワークス創業者で代表取締役社長の吉田浩一郎氏が教えてくれた。

 

時給制に関して言えば、6割強が3,000円未満の時給となっているが、およそ4割弱が3,000円以上の時給となっている。もちろん細切れの業務であれば効率も悪いが、空いた時間で仕事ができると考えれば、スキルのあるエンジニアにとってみれば悪い話ではないのかもしれない。興味深いのはクラウドワークスでは東京で発注される仕事が、東京以外で受注されるケースが41パーセントあることだろう。吉田氏は以前にも語っているが、エンジニアの地域間の格差をなくしたいと考えていたので、その思惑はうまく形に現れてきているとなのかもしれない。

 

労働環境を変えるサービスにはとても興味があるのだが、こういったクラウドソーシングのサービスが今後、エンジニアの働き方を一変させてしまうのかどうかはわからない。クラウドソーシングは正規雇用を望まない、スキルをもった自由な人たちが使うサービスだと思えばその存在意義は際立つが、クラウドソーシングのサービスに登録して仕事をこなすだけで、十分に生活できるだけの稼ぎをあげる人はどれぐらいいるのかは未知数である。ただ、働き方の多様性を提示しているという意味では興味深いサービスだとは思っている。

 

TechCrunch


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