10月の内定式の前に改めて考えてみませんか?内定者フォローの目的とは

 先月末に株式会社リクルートより、2013年の大学生の就職内定状況調査が発表されました。

81日時点での就職志望者のうち、大学生全体の就職内定率(81日時点)は66.5%となり、前月に比べ8.0ポイント上昇しています。就職志望者のうち、大学生全体の就職活動実施率は44.5%で、前月に比べ、10.0ポイント下がっており、8月に内定を得て就職活動を終了した学生も一定数いるようです。

 

 第一広栄社が7月に実施した人事担当者向けアンケートでは、約7割がメールや電話で継続的なやりとりをしている、懇親会等の場をもうけている一方で、3割の企業はあまり連絡を取っていないと回答しています。もちろん、人事担当者の方が多忙な中で、なかなか内定者のフォローまで手が回らないという現状もあります。しかし、せっかく面接で選考した学生に来年の4月に確実に入社し、スムーズにスタートを切ってもらうためには内定後のフォローは何かしら行いたいものです。

 

ここで改めて、内定者フォローの目的について考えてみましょう。各社で取り組まれている内定者フォローは大きく分けると3つの目的に分けられます。

 

まず1点目は、採用競合へ流れてしまうなどの内定辞退を抑えるということです。定期的にコミュニケーションを行うことで、学生の状況や自社への入社意欲を把握するほか内定者同志や社員との接点を持つ機会を用意するなどの施策があります。内定者に集まってもらい自社の採用活動の良かった点、悪かった点を挙げてもらうという内容であれば、参加する学生も人事担当者の方も取り組みやすいでしょう。

 

2点目は、会社や業務への理解を深めてもらい入社の準備を進めるということです。業種によっては資格取得やスキルの習得の課題を課すなどより実践的な取り組みをするケースもあります。また、内定者アルバイトなどで実際に会社の中を見てもらうことで、良い面も悪い面も理解したうえで入社をしてもらえるようになります。

 

最後のポイントは一般的には触れられないことも多いようですが、人事担当として内定者の性格や特性を把握することでしょう。就職活動中は、コミュニケーションをとっているようでも、ある種の緊張状態にあります。しかし、内定を獲得して就職活動を終了し、学生生活の日常に戻った後の学生とのやりとりでは、素の状態が把握しやすくなります。連絡へのレスポンスの仕方や情報確認の精度など継続的にコミュニケーションをとるからこそ見えてくる部分があります。このような情報を蓄積していって、フィードバックすることで、内定者は「自分を見てもらっている」と感じ入社後の課題設定や、円滑に組織に入るうえでのサポートにもなるでしょう。

 

10月には内定者を集める機会を設定する企業も多いかと思いますが、ちょうど入社の半年前のタイミングになります。先輩社員が内定後にどんな点に迷って最後入社を決めたのかなどのコメントを集めて内定者に配布するなどもよいでしょう。また、この時期の学生は、本当にこの会社でいいのか、自分はやっていけるのかと不安になることも多いので、入社に対する覚悟を持ってもらうきっかけになるような機会を提供したいものです。ロンドンオリンピックの日本代表選手のコメントでも、「持ち味が出せた結果」「持ち味が出せたので悔いはない」などという声が多く聞かれました。最近の若手は、自分の持ち味を見出せずに、自分探しのループにはまってしまうこともケースも多々あります。自分の持ち味を確認できるようなワークショップで前向きな課題設定を促すのも効果的でしょう。

 


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