派遣法の政令改正へ 期間制限のない専門業務を追加
労働政策審議会の職業安定分科会は5月10日、厚生労働大臣から意見を求められていた、「非破壊検査用機器の運転等の業務」などを派遣受入期間の制限の対象外とする改正政令案要綱を妥当と認め、了承しました。
◆派遣の受け入れは原則1年まで
労働者派遣法では、原則として「派遣就業の場所ごとの同一の業務につ
いて派遣受け入れ期間(原則1年間)を超えて役務の提供を受けてはならない」としています。派遣期間を無制限にすれば、正社員の業務がどんどん派遣に置き換えられてしまう可能性があるからです。派遣は臨時的一時的な業務に限るというのが派遣法の趣旨なのです。
◆専門業務は期間制限なし
ただし、専門的な知識、技術や経験が求められる業務など政令で定めるもの(一般に「専門26業務」と呼びます)については、一般の労働者の業務に置き換えられる可能性が少ないため、受け入れ期間の制限がありません。
今回の改正政令案では、上記の2つの業務についても、期間制限のない専門業務に追加すべきとされました。これらの業務は、高い専門性が求められるものであり、東日本大震災の被災地域の復興のために仕事の増加が見込まれているため、経営者団体などか
らも改正を求める声が多かったということです。なお、これらの業務については、「施行令第4条第15号(建築設備運転等関係)」に追加される見通しで、「専門26業務」が「専門28業務」となるわけではありません。