解雇、いじめ、賃下げなど民事上の個別労働紛争相談が過去最高
厚生労働省は5月29日、制度発足から11年を迎える「個別労働紛争解決制度」について、施行状況の集計結果を公表しました。この制度は労使トラブルの円満・迅速な解決を目的としていて、①「総合労働相談コーナー」による相談の受け付け、②都道府県労働局長による助言・指導、③紛争調整委員会によるあっせん(当事者間の調整・話合いの促進により紛争の解決を図る制度)をおこなうものです。
相談件数は高水準を維持
総合労働相談の件数は、前年度より減少したものの、4年連続で100万件超の高水準を維持しています。労働相談のうち、労働基準法等の明らかな法令違反をともなわない民事上の個別労働紛争(たとえば解雇や賃下げなど)に関する相談は、約25万6,000件と過去最高を記録しました。
いじめ・嫌がらせが大幅増
内訳はグラフのとおりで、「解雇」「いじめ・嫌がらせ」「労働条件の引き下げ」などが上位を占めています。前年度と比べると、これまで高水準であった「解雇」は減少(前年度比3.9%減)し、「いじめ・嫌がらせ」(同16.6%増)、「退職勧奨」(同3.6%増)、「自己都合退職」(同28.1%増)などが増加しています。また、詳細に分類することが困難な「その他の労働条件」が12.3%となるなど、紛争内容が多様化しているようです。