パートタイマーも社会保険の適用対応に

8月10日、社会保障と税の一体改革の一環として、パートタイマーへの社会保険適用や産前産後休業期間の社会保険料免除などの法案が参議院で可決・成立しました。主な改正点を見ていきましょう。

①パートタイム労働者への社会保険適用(平成28年10月より施行)

現在は、労働時間および労働日数が「一般社員の4分の3以上」あることが社会保険(厚生年金保険および健康保険)への適用の目安とされています。今回の改正では、適用の基準を「所定労働時間が週20時間以上」「勤務期間1年以上」「月額賃金8万8千円以上」とすることになりました。ただし学生や、従業員が常時500人以下の企業で働くパートタイマーは対象外となります。※現行の基準で適用となる被保険者の数で算定します。

②産前産後休業期間の保険料免除(2年を超えない範囲で政令で定める日より施行)

「育児休業期間」については最大で3年まで社会保険料が免除されていますが、「産前産後休業期間」については現在、免除はおこなわれず、賃金をもらっていなくても社会保険料を支払わなければなりません。改正後は、「産前産後休業期間」についても、申し出により、事業主と被保険者両方の社会保険料が免除されることになりました。

③受給資格期間の短縮(平成27年10月より施行)

現行の国民年金では、老齢基礎年金等を受給するために保険料納付済期間(免除期間等を含む)が、原則として「25年以上」必要となります。

④残された夫に遺族基礎年金を支給(平成26年4月より施行)

現在は、遺族基礎年金は「子のある妻」か「子」にしか支給されませんが、改正以降は「子のある夫」つまり父子家庭にも支給されます。

 企業においてパートタイマーへの社会保険の適用拡大は、社会保険料の負担増につながります。従業員数500人以下の企業については今回、適用拡大が見送られましたが、施行3年後に再検討するとしています。いずれにせよ、将来に向けて準備・対策が求められるでしょう。


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