TOEIC平均スコア、一般社員より新入社員のほうが高い
今回は2012年度の新入社員の英語力についてレポートします。
これから就職活動をする方にとっては先輩であり、すでに働いている方にとっては後輩である2012年度の新入社員がどのくらいの英語力なのか、また、企業はどのくらいの英語力を新入社員に期待しているのか、参考にしてください。
新入社員のTOEIC平均スコアが過去最高に
2012年度は実施企業数、受験者数ともに、前年度を上回り、平均スコアも499点と過去最高を記録しました(グラフ1参照)。企業のグローバル化に伴い、社員の英語力を重視する企業が増え、入社時点で動機づけとして、新入社員にTOEICテストを実施するケースが増えています。また、新入社員も英語の必要性を認識し、就職活動の段階から積極的に英語学習に取り組んでいることがうかがえます。
一方で内定者を対象に実施したTOEICテストでは、平均スコアは525点でした(グラフ2)。内定時にTOEICテストを実施する企業では、より高い英語力を持った学生を採用していることが分かります。
77.7%の企業が採用時にTOEICスコアを参考に
入社希望者が「資格・特技」として提出したTOEICスコアを77.7%の企業が参考にしています(「参考にしている」「参考にすることがある」の合計)。また、新入社員採用時に期待するスコアの平均は550点でした。TOEICスコアを採用の参考にする一方、2012年度の新入社員の平均スコアは499点で、企業が期待するスコアを満たしていないことが分かります。
一般社員のスコアより新入社員のスコアの方が高い業種が増加
業種ごとに、一般社員と新入社員のTOEIC平均スコアを比較すると、調査した29の業種のうち、18の業種で新入社員のスコアが一般社員を上回っています。また、商社、不動産、マスメディア、公共団体の平均スコアが600点を超えています。業種によって受験者数が異なるので、単純な比較はできませんが、サービス業全般において、国内市場の成熟を受けて、海外事業を拡大する動きが広がり、英語の必要性が高まっていることがうかがえます。
グローバル人材ニーズは近年、ますます高まり、英語力を以前より重視する企業が増えているようです。これを受けて、学生も就職活動の段階から英語学習に取り組んだ結果、TOEIC平均スコアが上がっているのかもしれません。
これから就職する方はもちろん、すでに働いている方も、ますます加速する企業のグローバル化に対応するべく、TOEICテストやTOEIC SWテスト(TOEICスピーキングテスト/ライティングテスト)を活用しながら英語力を高めてはいかがでしょうか。