改正労働者派遣法案はいったん廃案に
6月22日に閉会した通常国会で、労働者派遣法の改正案は成立せず、廃案となりました。改正法案では、専門的26業務とその他の業務の区分をなくし、業務単位で最長3年とされていた派遣受け入れ期間の上限を個人単位で最長3年までとすることなどが盛り込まれていました。
また、「特定労働者派遣事業」が廃止され、これまで届出で済んだものが許可制になるとして、特に特定派遣の多いIT業界などには大きな影響がでると予想されていました。
廃案の理由は、野党からの反発が大きかったこともありますが、法案の条文に重大なミスが見つかったことから野党が取り下げを要求したためです。罰則規定において「懲役1年以下」とすべきところを「懲役1年以上」と記載されていたのです。罰則に関する部分であるだけに与党側も重く受け止め、改正案を廃案とすることを決めました。
厚生労働省は条文の誤りを訂正したうえで、当初の法案の内容を変えずに提出し、秋の臨時国会での成立を目指すとしています。ただし、秋の臨時国会で成立したとしても、当初2015年4月からの予定であった法改正の施行日はずれ込む可能性があります。