情報漏洩の疑い、過去5年で1割の企業が経験
帝国データバンクは、営業秘密に関する企業の意識調査の結果を発表しました。
◆転職や独立を機に漏洩
調査結果によると、営業秘密の漏洩について企業の8割が重要性を認識しています。とりわけ金融業界で危機意識が高いが、業界を問わず高い意識を持っていることが分かりました。過去5年間に営業秘密の漏洩(疑いを含む)があった企業は約1割で、「営業社員の引き抜きにともない営業担当の得意先が一部流れた」など、転職や独立を機に情報を持ちだされたという声が多く上がりました。
◆漏洩防止に取り組む企業は半数
営業秘密の漏洩防止に取り組んでいる企業は、約半数にとどまっています。大企業では67.3%が取り組んでいるのに対して、小規模企業では、37.8%と大きな差が見られました。
企業からは「どうしたらいいのかよくわからない」、「人的・金銭的リソースがなく、やりたくてもできないのが実情」といった声が挙がっています。営業秘密の漏洩防止に対する重要性を認識している企業、あるいは漏洩の疑いを経験した企業でも、約3割が漏洩防止に対する取組みを行っていないことも分かりました。
◆情報の管理方針等の整備が最多
具体的にどのような取組みを実施しているか、または今後実施するかを尋ねたところ、「情報の管理方針等の整備」が37.5%で最多となりました。ついで、従業員や役員、取引先などとの「秘密保持契約を締結」(36.6%)「データ等の持ち出し制限を実施」(37.7%)「営業秘密とそれ以外の情報を区分」(28.2%)、「データ等の暗号化・アクセス制限の実施」(22.9%)などが続きました。