キャリアアップ助成金が拡充 チェックしたい6コース
「キャリアアップ助成金」は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップなどを促進するため、正規雇用への転換、人材育成、処遇改善などの取組を実施した事業主に対して助成する制度です。今年4月より支給額などの拡充がおこなわれました。変更された制度の概要をご紹介します。
◆正規雇用等転換コース
有期契約労働者等を正規雇用等に転換または直接雇用した場合に助成正規雇用等転換コースですべてまたは一部の有期契約労働者等の基本給の賃⾦テーブル等を2%以上増額改定し、昇給させた場合に助成されます。
① 有期 → 正規:1人当たり50万円(40万円)
② 有期 → 無期:1人当たり20万円(15万円)
③ 無期 → 正規:1人当たり30万円(25万円)
<➀~➂合わせて1年度1事業所当たり15人まで(②を実施する場合は10人まで)>
※ 派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者として直接雇用した場合に助成額を加算
・1人当たり30万円(大企業も同額)
※ 母子家庭の母等を転換等した場合に助成額を加算(転換等した日において母子家庭の母等である必要があります)①1人当たり10万円、②③5万円(大企業も同額)
◆多様な正社員コース
① 勤務地限定正社員または職務限定正社員制度を新たに規定し適用した場合
② 有期契約労働者等を勤務地限定正社員、職務限定正社員または短時間正社員に転換または直接雇用した場合
③ 正規雇用労働者を短時間正社員に転換または短時間正社員を新たに雇い入れた場合 に助成されます。
① 1事業所当たり40万円(30万円)
② 1人当たり30万円(25万円)
③ 1人当たり20万円(15万円)
<①は1事業所当たり1回のみ、②及び③は「(6)週所定労働時間延長コース」と合わせて1年度1事業所当たり10人まで>
※ ①②について、派遣労働者を派遣先で勤務地限定正社員、職務限定正社員又は短時間正社員として直接雇用した場合に助成額を加算
・ 1人当たり15万円(大規模事業主も同額)
※ ①〜③について母子家庭の母等を転換等した場合に助成額を加算(転換等した⽇において⺟⼦家庭の⺟等である必要があります)
・ 1人当たり10万円(大規模事業主も同額)
◆人材育成コース
有期契約労働者等に次の訓練を実施した場合に助成されます。
① 一般職業訓練(Off-JT)
② 有期実習型訓練(「ジョブ・カード」を活用したOff-JTとOJTを組み合わせた3〜6か月職業訓練)
③ 中⻑期的キャリア形成訓練(厚⽣労働⼤⾂が専⾨的・実践的な教育訓練として指定した講座)(Off-JT)
④ 育児休業中訓練(Off-JT)
●Off-JT分の支給額 賃金助成・・・1人1時間当たり800円(500円) 経費助成・・・1人当たりOff-JTの訓練時間数に応じた 右表の額 ※育児休業中訓練は経費助成のみ
●OJT分の支給額 実施助成・・・1人1時間当たり800円(700円) <1年度1事業所当たりの⽀給限度額は500万円>
◆処遇改善コース
すべてまたは一部の有期契約労働者等の基本給の賃⾦テーブル等を2%以上増額改定し、昇給させた場合に助成されます。
① すべての有期契約労働者等の賃金テーブル等を増額改定した場合 :1人当たり3万円(2万円)
② 一部の賃金テーブル等を増額改定した場合 :1人当たり1.5万円(1万円)
※ 職務評価の手法の活用により処遇改善を実施した場合1事業所当たり20万円(15万円)を上乗せ
<1年度1事業所100人まで>
◆健康管理コース
有期契約労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4⼈以上実施した場合に助成されます。
●1事業所当たり40万円(30万円)<1事業所当たり1回のみ>
◆短時間労働者の週所定労働時間延長コース
労働者の週所定労働時間を、25時間未満から30時間以上に延⻑し、社会保険を適⽤した場合に助成
● 1人当たり10万円(7.5万円) <「多様な正社員コース」の人数と合計し、1年度1事業所当たり10人まで>