5つのポイントでソーシャルリクルーティングを評価する。振り返るべき指標とは?

 
2013年新卒採用に向けてソーシャルメディアを使った採用活動=ソーシャルリクルーティングを行った企業の人事担当者の方は、その成果を正しく評価し、2014年新卒採用に向けた改善を検討しているところでしょう。

しかし、ソーシャルリクルーティングの評価をするにあたって、どのようなことを行っていますか?

「ソーシャルメディア経由の応募は、求人サイトと比較すると、格段に少なかった」

上記のような事実だけで、ソーシャルリクルーティングの評価を下げてしまっていませんか。今回は、ソーシャルリクルーティングにおいて、振り返るべき指標について整理してみます。

ぜひ、2013年新卒採用の成果を振り返るに当たって参考にしてみてください。なお、今回は「ソーシャルリクルーティング白書2012」の調査において、企業が採用活動において利用しているソーシャルメディアのトップとなったTwitter、Facebookを念頭において評価方法を説明しています。LinkedInやmixiページ、Google+、YouTubeなどを使っている場合は、同様にそれらの数値についても評価してみましょう。

1:自社に興味を持ってもらえたか?

TwitterやFacebookページの投稿を使って、長期間をかけて自社についての情報を発信する方法や、カバー写真などを工夫して、自社らしさをアピールする方法については、以下のような記事で紹介してきました。

今すぐ参考にしたい!企業Facebookページのオリジナルコンテンツ25パターン100事例まとめ!
http://www.social-recruiting.jp/archives/6618

企業のFacebookページに入れておくと便利な「7種類の無料アプリ」と追加方法【初めてのFacebook採用ガイド】

http://www.social-recruiting.jp/archives/6484

こんな表現方法もあったんだ!企業の採用Facebookページだってココまでできる!クリエイティブなカバー写真55選まとめ

http://www.social-recruiting.jp/archives/11226

こうした取り組みを通して、どのくらいのユーザーに興味をもってもらったかを以下のような数値から評価してみましょう。

・Twitterのフォロワー
・Twitter上での話題数
・Twitterでのコミュニケーションの発生数
・Facebookページへの「いいね!」
・投稿への「いいね!」やコメント
・ターゲットとした人に届いたか(Facebookインサイトの人口統計データから推測)
・求人票や募集要項のページのシェア件数(「いいね!」、Tweetなど)

投稿の数値は、日々の運用でもチェックしていることと思います。最終的な評価をするために、最も見てもらいたかった重要な投稿を中心に評価するとよいでしょう。

2:応募につながったか?

実際にソーシャルメディア上の情報発信が応募につながったのかを評価します。これらは、あらかじめGoogleアナリティクスなどのWebアクセス解析ツールや、bit.lyなどのURL短縮サービスを使ってクリック率を取得するなど、トレースできるようにしておく必要があります。2013年度新卒採用について、データを取得できなかったという場合は、今後取得できるように設定しましょう。

■応募が自社サイトからの場合

・自社Webサイト(採用情報ページなど)へのトラフィック流入
・ソーシャルメディアから自社Webサイトに遷移した人の滞在時間
・ソーシャルメディアから自社Webサイトに遷移した人のコンバージョン達成数(応募申し込み)
・ソーシャルメディアに接触した人の応募率

なお、応募者は一度Webサイトに訪れただけで応募完了まで至るケースは少ないでしょう。Webサイトに複数回訪れたり、後日再度訪問したときに、応募を完了するケースもあります。こうした間接的な効果についてトラッキングできる有料ツールも多くありますので、詳しく調査したいという場合は、導入を検討してみましょう。

また、他の求人サイトなどを利用している場合は、それとの比較も行いましょう。一般的に、求人サイトからの流入のほうが多くなる傾向があるので、応募率からも比較してみるとよいでしょう。

■ソーシャルメディアから直接応募できる場合

Social Job Posting(http://www.socialjobposting.com/)など、Facebookページ内に求人票を追加できるFacebookアプリを利用している場合は、そこからの応募数を確認してみましょう。

・Social Job Postingなどの求人応募アプリからの応募数

3:選考過程の効率化、費用の削減につながったか?

ソーシャルリクルーティングを行う多くの企業が、求人サイトなどを使う従来の応募方法にソーシャルメディアを加えているという場合が多いと思います。単純に考えると、従来の業務にさらにもう一つ作業が加わったというイメージがあるでしょうが、実際どのくらいの作業がプラスになったのかを正しく評価しましょう。

一方で選考過程において、省力化できた部分がないかなどを評価してみましょう。例えば、2013年新卒採用のおもしろ事例では、「GitHubに成果がある人は書類選考をパス」など、ソーシャルメディア上の活動を評価することで、面接の次のステップに進めるような取り組みがありました。

・ソーシャルメディアの運用工数
・ソーシャルメディアの制作コスト
・選考過程で省略できたこと
・OB/OG訪問の効率化
・自社の正しい情報を学生に伝えられたか

ソーシャルメディアで情報を発信続けることが、学生の企業研究に役立ったかどうかも、面接などのやり取りを通して評価できる場合があります。

4:採用できたか?

最終的に採用した人材がソーシャルメディア上の情報発信に触れているかどうかを調査してみましょう。また、実際に採用した人材が自社の採用したい人材の理想とどれくらいマッチしているかも評価してみましょう。

・ソーシャルメディアに接触した人材の採用数、率
・人材の評価

5:内定辞退はどのくらいか?

新卒採用の場合、内定してから入社までに時間があります。その間に他社からも内定を得たり、気分が変わって内定を辞退されてしまうようなことも起こります。内定の辞退率などを評価しましょう。また、内定辞退の理由も分類し、何が辞退のきっかけになっているのかを考え、採用に関わる情報発信の中で改善できないか、考えます。

・内定の辞退数、辞退率
・うち、ソーシャルメディア上の企業情報に接触した人の割合
・内定辞退の理由

[まとめ]よりよいソーシャルリクルーティングを実践するための評価

今回は、ソーシャルリクルーティングの評価をするにあたっての項目を考えてみました。この他にも、ブランド好感度や求職者の満足度なども調査できるようならば、評価します。

一方で、2013年新卒採用のソーシャルリクルーティングの取り組みは、トライアルだったという企業も多いでしょう。トライアルだったので、数値を追うところまでは整備できなかったという場合は、2014年の新卒採用については、数値の評価もできるような体制にしましょう。特に、トラフィックやアクセス解析の部分については、Webの担当者などがノウハウを持っているはずですので、協力してもらうなど部署を超えた連携も必要です。

ソーシャルリクルーティングの世界


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