規制改革会議の雇用ワーキンググループ 解雇ルールを整備して「限定正社員」を促進

政府の規制改革会議の雇用ワーキンググループは514日の会合において、「限定正社員」の導入を促進するため、解雇ルールを整備するよう求めることで一致しました。内容を具体化した上で意見を取りまとめ、規制改革会議に報告がおこなわれます。

 

 

正社員と非正規の二極化を解消

「限定正社員」とは、職種・勤務地・労働時間のいずれか(または複数)の要素が限定された正社員のことです。 従来型の正社員の場合、職種や勤務地の変更、残業命令があれば基本的に受け入れなければならないという暗黙の契約があり、労働者にとっては不本意な転勤や長時間労働などから家族やワークライフバランスが犠牲になるといった不満があります。企業としても、手厚く雇用を保障しなければならないため、正社員の採用に慎重にならざるを得ません。その結果、不安定な非正規労働者の増加が深刻な社会問題となっています。 そこで、正規と非正規の中間のような側き方として「限定正社員」を.促進し、二極化した働き方の解消を目指す方針が打ち出されたのです。

 

解雇のハードルを下げる 

 厚生労働省の調査によると、すでに職務限定社員や勤務地限定社員などの「限定正社員」を導入している企業は全体の半数にのぼっています。しかし、その形態が就業規則等で明確に定められていないことも多く、その特性に沿った人事上の取り扱いがなされていない員とは異なる取り扱いができれば、企業はさらに限定正社員を増やすと期待できますが、リスクに敏感になり及び腰になっている面があるようです。 具体的には、解雇の場面です。

 そこで限定正社員の解雇ルールを整備するよう求めることが決定されました。従来型の正社員は仕事がなくなっても配置転換などにより雇用を保障しなければなりませんが、限定正社員の場合は特定の職務がなくなった場合や事業所の閉鎖などで雇用を終了できるようにするといったことが検討されています。 その他、雇用ワーキンググループは、労働者派遣制度のうち、正社員の仕事を奪わないという「常用代替防止」の考え方に再考を求めるほか、「企画業務型裁量労働制」の導入手続きを簡略化するよう求めるとしています。


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