業務単位3年→個人単位3年に派遣法改正案を国会に提出
厚生労働省は3月11日、労働者派遣法の改正法案を国会に提出しました。成立すれば、来年4月1日から施行される予定です。
◆専門的26業務を廃止
現行の派遣法では、専門的な業務などは派遣期間の制限がなく、その他の業務にのみ期間制限が設けられていますが、この区分を廃止し、業務の種類に関係なく期間制限を設けるとしています。また、現行法では業務単位で最長3年など派遣を受け入れることができる期間が決まっていますが、改正案では個人単位で期間制限(上限3年)をおこなうとしています。ただし、過半数労組等から意見を聴取すれば、派遣労働者を替えることで同一の事業所で3年を超えて派遣を受け入れることができるようになります。
ただし、派遣元で無期雇用されている派遣労働者については、こうした期間制限がおこなわれません。
◆許可制に一本化
もう1点の大きな改正点は、特定労働派遣事業の廃止です。現在は、登録型派遣などの「一般労働者派遣事業」が許可制であるのに対し、自社が常時雇用する労働者を派遣する「特定労働者派遣事業」は届出制となっています。この区分をなくして許可制に一本化するというものです。
現在、許可を受けるには、1事業所につき「純資産2000万円以上」「事業資金として現金・預金1500万円以上」といった条件があります。改正後はさらに許可要件および更新時の要件が追加される見通しです。IT関連の企業などでは特定労働者派遣をおこなっている事業所も多く、大きな影響がでると予想されます。ただし、特定労働者派遣事業の廃止については経過措置や暫定的な配慮措置が講じられる見込みです。
【改正案のポイント】
・専門的26業務という区分を廃止
・期間制限は業務単位から個人単位に
・同一事業所での派遣可能期間を延長するには過半数労組等への意見聴取が必要
・無期雇用の派遣労働者は期間制限なし
・特定労働者派遣事業の廃止