東証第1部上場企業の2012年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査…財経新聞
民間調査機関の (財) 労務行政研究所では、東証第1部上場企業143社を対象に2012年夏季賞与(ボーナス)の妥結水準を調査した。これによると、全産業平均で66万7724円、同一企業で見た昨夏の妥結実績(67万853円)と比較すると、金額で3129円、対前年同期比で0.5%の減少となった。
< 調査結果の概要 >
民間調査機関の(財)労務行政研究所(理事長:矢田敏雄 東京都港区東麻布1-4-2)では、東証第1部上場企業143社を対象に、今年の賃上げと同時期に交渉・決定している、2012年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準を調査・集計した(2012年4月11日現在)。
調査結果によると、まず金額は上記143社の全産業平均で66万7724円、同一企業で見た昨夏の妥結実績(67万853円)と比較すると、金額で3129円、対前年同期比で0.5%の減少となった。
本調査開始以来最大の落ち込みとなった2009年(対前年同期比14.4%減)以降、3年ぶりにマイナスに転じることとなった。
昨年の3月に発生した東日本大震災はその後の経済見通しを不透明にしたものの、2011年交渉時点では、震災以降の状況変化が一時金妥結額に及ぼした影響は限定的であった。震災直後の混乱と一時的な持ち直し期を経て、2011年度後半以降は国内景気に停滞感が広がることとなった。さらには、欧州の財政金融危機、そして史上最高値域で推移する円高など、国内外ともに厳しい経営環境が続いていることが、今季2012年春季交渉に影響を及ぼしたものと思われる。
産業別の妥結水準を見ると、製造業(116社)の支給水準は67万2932円で、対前年同期比は0.4%減、非製造業(27社)については64万5350円、同0.9%減と、製造業・非製造業ともにマイナスに転じている。
また、支給月数の平均としては、集計社数145社の平均で2.23カ月、同一企業で比較した場合、前年同期(2.24カ月)を0.01カ月下回ったものの、ほぼ横ばいの数字となっている。
支給月数の分布状況を見ると、「2.5カ月台」が19.3%と最も多く、これに「2.0カ月台」が11.7%で続いている。
■調査・集計要領
(1)集計対象・集計社数:対象は、東証第1部上場企業(4月6日現在で1684社)のうち、原則として労働組合が主要な単産に加盟している企業。持ち株会社が東証第1部上場企業の場合、その主要子会社は集計対象とした。このうち、今年の賃上げ交渉と同時期に2012年の賞与・一時金を決定している企業で、当研究所が結果を把握し得た143社(月数集計は145社)を集計
(2)集計対象範囲と集計方法:集計対象範囲は原則、組合員1人当たり平均(一部の年齢ポイント、標準労働者、全従業員平均による妥結額も集計に含む)。集計に当たっては、各社の1人当たり平均を単純に足し上げ、集計社数で除した(単純平均)
(3)集計時点:2012年4月11日(調査時期:2012年3月14日~4月11日)
(2012/4/27付:財経新聞)